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アシテジ国際児童青少年演劇協会会長 イヴェット・ハーディー

子どもにとって創造的な出会いに遭遇するということ、そして新しい芸術的体験をするということはどういう意味を持つのでしょうか?またどうしてすべての子どもにとってこうした体験が大切なのでしょうか?

先日、偉大なるチェリスト、ヨーヨーマの講演と演奏を聴くという機会に恵まれました。その際、彼は「文化的ホスピタリティー」という言葉を口にしました。芸術には新しい、創造力に富んだ、箱の中から飛び出してくるようなもの、そして主流からは外れてしまっているかもしれない、誰からも聞かれない、無視されてしまうようなものを招き入れる受容能力がある(むしろそれこそが芸術の責務である)と言うのです。また彼は彼自身の見解として、芸術家としての我々の任務は、こうした様々な声や、形式や形態、テクニックなどすべてを、そして我々自身が様々な過程を経る中で変わりうるという事実を、寛容に受け入れることだとも。

彼の話を聞いて思ったのは、ホスト(招く側)とは何か、そしてゲスト(招かれる側)とは何かと言うことでした。そして両方の側にとって最も大切なことは、「聞くこと」であり、既に知っていることや自分が心地よいと思える環境から一歩外に出ようとするその意思であり、違いを受け入れ、祝福することなのだと。

素晴らしいホストとは、どこから来て、どんな経験をしてきたか関係なく、誰しもがアットホームに寛げる場所を提供する人です。訪ねてきた人への純粋な関心をもって、エゴを脇に置く人です。すべての人に可能な限りベストの体験を与えたいと思う人です。そして素晴らしいゲストとは、他者から学びたいと思い、新しい何かに恐れることなく、新たな出会いに対し果てしない好奇心を抱いて来る人です。

こうした相互関係に於いて受容性のある環境では、我々は繋がりを見出し、驚きを見出し、そして深い学びを見出します。我々はこういった出会いを通して変化を築きます。我々は、自分自身の中、そして他者の中に於いて、我々が人間である所以に触れることができるのです。

今こそ芸術が私たちに与える貴重な瞬間です。我々は演劇を実践する芸術家として、子どもそして若者をこうした出会いに招き入れる方法を見つけなければなりません。寛大な精神をもって、我々が観客に耳を傾けて欲しいと思う同様に、観客に耳を傾けたいという思いと共に。

そして、それが実現した時には、我々はお互いどうしのつながりが成長し始めるのを感じることでしょう。共通基盤を見つけ、大きな絵を共有し、洞察の瞬きを得て、「共感」という名の感情の芽生えを感じることでしょう。

今の時代、多くの人々がお互いを避け、国境や空港でお互いから目を逸らし、違う階級、民族、言語、宗教を理由にお互いを拒否しています。そんな時代だからこそ、本来の一体感やつながりといった感覚を提供できるのが、芸術家の役割なのではないでしょうか。それこそがまさに、すべての子どもが必要としていることです

(翻訳:大谷賢治郎)

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